2010年7月17日土曜日

南アフリカ日誌「ヨハネスブルグと治安のこと」

決勝は、ヨハネスブルグで行われました。

ヨハネスブルグと言えば、無く子も黙る「世界一の犯罪都市」
その実態はどうだったんでしょうか?

私が訪れたのは、国際空港と、そこに隣接するホテル CITY LODGE(私の宿泊)と
サントン地区のネルソン・マンデラ・スクエアだけ。 そのどこも全く安全でした。

空港は24時間体制で警備がしっかりされていて、夜中でも問題なく歩き回れます。
空港からサントンへは、成田エクスプレスみたいなGAUTRAINに乗って、安全に移動できます。
途中、車窓から黒人の住んでいる地区が見えました。(ソウェトではありませんが)

サントンの街並も、ヨーロッパの市街地といった感じで、恐さは全然ありません。
高級ショッピングモールのマンデラ・スクエアは、銀座か青山みたいなものです。

これらの安全と言われる場所であれば、危険は全く感じませんでした。
ただし、スリ・置き引きといった類の犯罪は、日本も含めて、どこでも起こりえます。

実際、ケープタウンのホテルのロビーで、貴重品の入ったバッグを盗まれた日本人がいます。
ちょっと目を離した隙に盗られ、パスポートが無くて帰国できなくなったそうです。
こじんまりとして安全そうに見えたロビーでしたが、そんなことが起こるわけです。

今回、私は何も被害に遭いませんでしたが、実はドイツ大会では携帯をスリに盗られました。
そのときの犯人は、イタリア・サポーターの格好をした男女のカップルでした。
今回は中南米と中東から大挙して来ている、という情報があったそうです。
ワールドカップ期間中は、窃盗団も世界中から集まってくるのですね。

ちなみにロストしたスーツケースは紆余曲折の末、3日後に手元に無事戻ってきました。
今回はこういうトラブルがあることも覚悟していたので、やはりドキドキしますね。


















2010年7月13日火曜日

南アフリカ日誌「決勝でも自分を貫いたスペイン、メンタルで負けたオランダ」

ボルテージが高まる中、いよいよ両国の選手が入場。
決勝ともなると、国歌斉唱も気合いが入ります。

サポーターの数では、やはり圧倒的にオランダが多いです。
私の後ろにも、いい歳してライオンのコスプレしたオヤジたちがいます。
(ライオンはオランダ王家の紋章です。尻尾だけ付けてる人も多数いました)

世界中が注目する四年の一度の、特別な舞台。
緊張が高まる中、キックオフです!

そして、試合の結果は、みなさんご存じの通り。
延長の末、イニエスタのゴールでスペインが初優勝を飾りました。

でも個人的には、3度目の正直でオランダに勝ってほしかったです…。
大勢のオランダサポーターが祝杯をあげる光景を見たかった。

私がこの日のオランダに感じたのは、準決勝のドイツと同じ。
欧州王者「無敵艦隊スペイン」に、恐れを抱いているようでした。
リスペクト、いや、畏怖の念と言ってもいいかもしれません。

普段のオランダと違う、自信の無いオランダがそこにいました。
パスを回せない、走れない、シュートを決められない…。

その様子を見て、98年フランス大会の準決勝を思い出しました。
マルセイユで、オランダがブラジルを相手に戦った試合です。
私はこの試合が、初めてのワールドカップ生観戦でした。

試合はオランダが先制し、ブラジルを圧倒します。
ところが前半終了間際に、ロナウドが泥棒のようなゴールを決めました。
すると後半からオランダはすっかり自信をなくし、PKの末、敗退します。
「やっぱりブラジルには勝てないさ…」という声が聞こえるようでした。

昔は、スペインも同じでしたよね。
グループリーグまで絶好調でくるのに、トーナメントでコロッと負ける。
それがヨーロッパ選手権で優勝してから、自信がついたのでしょう。
決勝のスペインは、普段とほぼ変わらないパフォーマンスを見せていました。

たしかに、この日の審判はカードを乱発するし、誤審もあったりして
ファールの多いオランダにはやりにくかったことでしょう。
それを差し引いても、オランダは持ってる力の半分も出せませんでした。
選手たちは、さぞかし悔しかったに違いありません。

それでもオランダチームは、表彰台から降りてきたスペインチームを
花道をつくって称えました。この試合で一番美しいシーンでしたね、

そしてスペインの選手がトロフィーを持ってグラウンドを一周し、
歓喜のスペインサポーターと他の観客が拍手でそれを迎えます。

やがて選手が消え、観客が席を立ち、スタジアムから人気が無くなると、
ガランとした巨大な空間に、祭りの後の寂しさを感じずにはいられません。

ふと後ろを振り返ると、オランダのオヤジ4人衆が力なく座っていました。
78年の準優勝から、32年間も待ち続けた彼らの落胆はどれほどでしょう…。
かける言葉が見つからず、無言で握手をしました。彼らもただ頷くだけでした。

スタジアムの外では、オランダサポーターのバスを見かけました。
きっと陸路で、はるばるオランダから来たはずです。
負けて帰る道のりは、来た時より遠く感じることでしょうね。

空港のレストランでは、オランダサポーターがボーッとした様子で
試合の映像に見入ってました。その胸中に去来するものは…。





















2010年7月12日月曜日

南アフリカ日誌「ワールドカップ決勝は、世界一華やかな舞台」

とうとう、決勝当日の朝がやってきました!

ホテルの朝食会場は、オレンジの格好をしたオランダ人サポーターで一杯。
市内の安全なサントン地区でも、大挙して大騒ぎしていたそうです。

一方、遅れて決勝進出が決まったスペインは、当日に南アフリカにやってきます。
空港の到着ロビーには、次から次へとスペインのサポーター軍団が到着して
気勢を上げる様子を、何台ものテレビカメラが取材していました。

そして決戦は、日曜の夜。

美しい夕焼けを眺めながら、いざ、会場のサッカーシティスタジアムへ。
スタジアムの近くには、中継用のパラボラアンテナが無数に立ち並んでいます。
闇夜に浮かび上がるスタジアムは、アフリカらしさを感じられる秀逸な造形でした。

オランダ、スペイン、どちらのサポーターも勢いよくのり込んでいきます。
ムードを盛り上げるビッグパペットの行列にも遭遇。なんか、いいですよね。

私の席はスペイン側ゴール裏の最上段でしたが、近くにオランダ人の集団も。
3度目の決勝とあって、今度こそは!とかなり気合いが入っている様子。

そしてカウントダウンとともに、決勝のセレモニーが始まりました!
美しいライトパフォーマンスの後には、テーマ曲を歌うシャキーラが登場。
が、ハッキリ言って、遠くてよく見えません。金髪は見えたましたが…。
(フランス大会のリッキー・マーティンも、足の動きしか印象がないです)

その後も、名シーンの映像が流れたり、ダンサーやパペットが登場しますが、
みんな試合の方でソワソワしているので、観客の反応はイマイチでした。

それより両国の国旗とトロフィーが出てきたときの方がボルテージが上がり、
最後にネルソン・マンデラ氏が登場して、会場の盛り上がりはピークに!
このサプライズに、観客全員がスタンディング・オベーションで迎えました。

こうしてセレモニーは暖かい雰囲気の中で幕を閉じ、いよいよ決勝戦です!!

(続く)














2010年7月11日日曜日

南アフリカ日誌「古風なビーチリゾート ダーバン」

準決勝の翌日は、ようやくの終日フリー。

ビーチ沿いに建つホテルからは、海から昇る朝日が望めます。
朝食の会場からは、昨夜のスタジアムがよく見えました。

ダーバンは、ビーチリゾートとして有名です。
なんとなく古い街で、行ったことありませんが中南米っぽい気がします。
(そういえば前夜のレストランは、ハバナ何とかというキューバ風でした)
なんとも言えないノンビリ感があって、何もせずに過ごすにはいい場所です。

冬とはいえ、わりと暖かく、昼間は半袖でちょうどいい感じ。
ビーチで日光浴している人が多く、泳いでる人さえもいました。

近くにあるファンフェスタ会場に行ってみましたが、当然ながら誰もいません。
試合のある日以外は閉鎖しているんですね。なんとも寂しい感じでした。

ビーチになぜか遊園地があり、スキー場にあるようなリフトがありました。
せっかくなので乗ってみましたが、かなりの高さから街と海を一望できました。

かなり遅めのランチは、ディナーを兼ねてイタリアン。
ピザとアボカドのコンビネーションは、なかなか美味しかったですよ。